国際協力の仕事と映画な日々

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セレブ婚狙いの女子は必見?ウディ・アレン最新作「ブルージャスミン」

ウディ・アレン監督最新作「ブルージャスミン」を観てきました。


人生のどん底に堕ちた、ブルーすなわち“憂鬱な”ジャスミン。
再び夢のようなセレブリティ生活に返り咲くことができるのだろうか?

「名前を変えたの、ジャスミンに。ジャネットなんて平凡だもの。」

サンフランシスコの空港に美しくエレガントな女性が降り立った。彼女は、かつてニューヨーク・セレブリティ界の花と謳われたジャスミン(ケイト・ブランシェット)。しかし、今や裕福でハンサムな実業家のハル(アレック・ボールドウィン)との結婚生活も資産もすべて失い、自尊心だけがその身を保たせていた。  
庶民的なシングルマザーである妹ジンジャー(サリー・ホーキンス)の質素なアパートに身を寄せたジャスミンは、華やかな表舞台への返り咲きを図るものの、過去の栄華を忘れられず、不慣れな仕事と勉強に疲れ果て、精神のバランスを崩してしまう。

やがて何もかもに行き詰まった時、理想的なエリート外交官の独身男性ドワイト(ピーター・サースガード)とめぐり会ったジャスミンは、彼こそが再び上流階級にすくい上げてくれる存在だと思い込む。  
名曲「ブルームーン」のメロディに乗せて描かれる、あまりにも残酷で切ない、ジャスミンの運命とは───。

イントロダクション&ストーリー - 映画『ブルージャスミン』公式サイト

全てを失ったジャスミンは、再起をかけてパソコンクラスに通い、パーティに出かけて次のエリートを射止めようと奮起しますが、世の中そう甘くもない。
ジャスミンの意識は、時折現実を逃れるかのように華やかなセレブ時代を回想します。現実と回想とが繰り返されるうちに、なぜジャスミンが夫と富を失ったか、徐々にわかる構成になっています。

主人公を演じるのはケイト・ブランシェット
この女優さん、表情があまりない女王役などのイメージが強いですが、今回も(元)セレブ妻という役がぴったりはまっていました。
そして演技もすごい。何がすごいかって洗練された女性が落ちぶれていくさまを痛く、そして違和感なく上手に演じているところです。
ケイト・ブランシェットはこの作品で本年度アカデミー賞主演女優賞ゴールデン・グローブ賞主演女優賞受賞をW受賞しました。

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脚本と演出はウディ・アレン。すごく好きな監督です。

 

ウディ、そこに「愛」はあるの?

ウディ・アレンの映画にはプライドの高い女性が出てくる作品がいくつかあります。

「私の中のもうひとりの私」(1989)という作品は、優秀ゆえに高慢な女性が50歳の誕生日を迎えた時にパートナーとの関係性やこれまでの人生を振り返る・・という話です。
ウディ・アレンの作品の中では一般的に評価が低いのですが、彼の作品の中で私が一番好きな作品です。

ブルージャスミン」の予告を見た時にすぐにこの映画のことを思い出しました。

「私の中のもうひとりの私」のラストは主人公が孤独感にさいなまれ、自分の人生これで良かったのか・・と逡巡した後に、ある日のあるシーンを思い出して清々しい表情で終わるのに対し、「ブルージャスミン」のラストは、何というんでしょうか、ジャスミンが突き放された終わり方なのです。

つくり手であるウディのジャスミンに対する「愛」が感じられない。

この作品を「欲望という名の電車」だと評する方も多いようですが、映画館を出てじっくり考えている内に、ウディ・アレンはジャスミンにミア・ファロー(女優で元妻)を投影しているのでは…?という思いにとりつかれました。

 

ウディ・アレンの結婚と破局

ウディは映画で共演したダイアン・キートンとの破局の後、すでに子どもや養子のいた女優のミア・ファローと共演を重ねる内に同居を始め、さらに子どもをつくり養子を増やして大家族をつくりました。
ところが、ミアの養子だった韓国人女性スン・イー(当時21歳)とウディができちゃってたことが発覚し一大スキャンダルに。ミアから訴訟を起こされ泥沼化したのは有名な話です。
ウディとスン・イーはその後結婚し、女の子二人を養子に取って幸せに暮らしているそうです。

ちなみに、ウディとミアの子ども、ローナン・ファローは15歳で名門イエール大学に入学した秀才で、24歳から国務長官の特別顧問をしており、今はオバマ大統領のアドバイザーをしているそうです。すごい。
そして2人の実子と思いきや、実はミアの前々夫フランク・シナトラの子だったとか!ドロドロしてますねー。

 

何がいいたいかというと、「ブルージャスミン」と
成功した夫と妻 → 夫の浮気 → 妻激怒 → 破局 → 泥沼
という構図が似ていますし、現在もミア・ファローとの確執が続いていることを思うと、あながち私の考えは飛躍しすぎじゃないかもしれません。

そういうことを考えながら映画に出てくる「ブルームーン」を聞くと、また別のほろ苦さを感じてしまいます。

 

 


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