浅野忠信、再発見。モスクワ国際映画祭で『私の男』がグランプリと最優秀主演男優賞をW受賞!
モスクワ国際映画祭で『私の男』がグランプリと最優秀主演男優賞をW受賞という、めでたいニュースです。
28日まで開かれていたロシアのモスクワ国際映画祭で、熊切和嘉(くまきりかずよし)監督(39)の「私の男」がグランプリ(最優秀作品賞)を、主演の浅野忠信さん(40)が最優秀男優賞を受賞した。日本作品のグランプリは1999年の新藤兼人監督「生きたい」以来、日本人の男優賞は83年の加藤嘉さん(神山征二郎監督「ふるさと」)以来となる。
公開中の「私の男」は、浅野さん演じる男が20代半ばで遠縁の娘(二階堂ふみ)を引き取り、16年にわたって禁断の関係を続けながら、寄り添うように生きていく物語。桜庭一樹さんの直木賞受賞作を原作にしている。
「二階堂ふみがエロくてやばい」と話題になっていたので、ちょうど観に行ってきたばかりでした。
桜庭一樹の原作は読んでおらず、内容も知らなかったので、冒頭の津波のシーンには衝撃を受けました。
大人の階段のぼる二階堂ふみ
初めて二階堂ふみを見たのは園子温監督の「ヒミズ」。この映画で第68回ヴェネツィア国際映画祭の最優秀新人賞を受賞し、世間をあっと驚かせたのはまだ2年前のことです。
当時は、宮崎あおいに似た子が出てきたな・・という印象で、ヴェネツィア国際映画祭の最優秀新人賞は、東日本大震災を受けた日本への同情票かと思っていました。
しかし、、今回の二階堂ふみは迫力が違いました。映画の中で彼女が演じるのは主人公の10代前半から20代半ばまで。どれも違和感がない。そして10代の色気と20代の色気を演じ分けているのがすごい。
まだ大学生なんですよね。今後が楽しみな女優さんです。
浅野忠信、再発見。
そしてもう一人の主役、浅野忠信。
渋い。
海外進出に熱心なあまり、ヘンテコな映画にばっかり出てるのかと思ったら、ちゃんと渋い演技してますね。何というか、浅野忠信を再発見してしまった感じです。
くしゃくしゃになっていくダメな感じの男を説得力をもって演じている。モスクワの受賞も大納得。
撮影に注目
この映画は基調カラーはブルーがかった白、そこに指色として「赤」が印象的に入っています。特に印象に残るシーンがふたつありました。
- 狭い部屋の中での濃密なラブシーン
- 流氷のシーン
撮影は誰だろうと思ったら、熊切監督とよく組んでいる人でした。
1976年、愛知県生まれ。 大阪芸術大学卒業。『パーマネント野ばら』(10/吉田大八監督)で第54回三浦賞(日本映画撮影監督協会新人賞)、『海炭市叙景』(10)で第65回毎日映画コンクール・撮影賞、『桐島、部活やめるってよ』(12/吉田大八監督)で第34回ヨコハマ映画祭・撮影賞を受賞。熊切監督作品への参加は『ノン子36歳(家事手伝い)』(08)、『海炭市叙景』(10)、『莫逆家族 バクギャクファミーリア』(12)、『夏の終り』(12)に続く5作目となる。その他の主な作品に『マイ・バック・ページ』(11/山下敦弘監督)、『横道世之介』(12/沖田修一監督)などがある。
フィルモグラフィーの中では『桐島、部活やめるってよ』が一番好きです。
『私の男』、お勧めです。
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