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詩人アーサー・ビナードさん:集団的自衛権は、いわば「包装紙」。破ると「戦争」という中身が出てくるんです。

集団的自衛権』についての、詩人アーサー・ビナードさんのコメント (6/27朝日新聞朝刊)が印象に残ったので、書き写します。

集団的自衛権は、いわば「包装紙」。破ると「戦争」という中身が出てくるんです。

言葉にごまかされるな

 言葉は何かを伝えたり、世界をおもしろく見つめたりするもの。日本語で詩を書いていて、僕はそう思っています。でも「人をだます」ために使われることを忘れてはいけない。

 米国は朝鮮戦争(1950~53年)で宣戦布告していません。ずっと「警察行動」と言っていました。その後のベトナム戦争も宣戦布告せず、「国防」として戦い続けました。

 日本は今、米国の下請けで戦争ができる国になろうとしています。それが「集団的自衛権」という言葉でごまかされようとしている気がします。集団的自衛権は、いわば「包装紙」。破ると「戦争」という中身が出てくるんです。

 オバマ大統領が4月に来日したとき、「大統領が集団的自衛権の行使容認を支持」と報じられました。僕は「支持」じゃなく、「指示」だったととらえています。米軍にやらせたくないことを日本にやってもらうため、「自衛隊をどこにでも出せるようにしろ」と。

 米国による「押しつけ」と感じず、安倍首相たちも突き進んでいます。「戦争放棄」をうたう憲法を理由に断ることができるのに。集団的自衛権を認めてしまったらい、米国の言いなりになるだけ。「属国」のようになってしまいます。

 米国は自由や民主主義を唱えていますが、政府は憲法違反を繰り返し、国家権力に歯止めをかけられずに来てしまった。日本には、そんな国になってほしくない。政治家の言葉にごまかされてはいけない。


閣議決定がなされてしまった今、私たちにできることは何なのだろうーー。

これまで日本のNGOが海外で築いてきた信頼が、こんなのことの為に失われるのは残念すぎるし絶対許されない。

 

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アーサー・ビナード
ミシガン州出身。1990年来日。日本語で詩を作り始める。 2001年、詩集「釣り上げては」で第6回中原中也賞。

 


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