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坂東三津五郎さんのご冥福を祈りながら『阿修羅のごとく』のパンフを久々に読む

坂東三津五郎さんの訃報を聞いて残念に思います。

歌舞伎には疎く、映画の中の三津五郎さんが好きでした。


坂東三津五郎さん死去 59歳、すい臓がん (スポーツ報知) - Yahoo!ニュース

 

 

 「色気のある」という形容詞がぴったりのオジサマです。そう思ったのは、故森田芳光監督作品『阿修羅のごとく』を観た時でした。

この作品は、向田邦子さん脚本の有名なテレビドラマの映画化で、主役の4姉妹を大竹しのぶさん(長女)、黒木瞳さん(次女)、深津絵里さん(3女)、深田恭子さん(4女)が演じています。

内容は映画のコピー「女は微笑む顔で、鬼になる。」からも見て取れます。

昭和の名脚本家・向田邦子の代表作を「家族ゲーム」「模倣犯」の森田芳光監督で映画化。父の浮気を機に四姉妹それぞれの人生にもさまざまな問題を抱えていることが露呈し、やがては互いに心の内をぶちまけていく様を、辛辣さの中にもユーモアを織り交ぜ描く。

映画 阿修羅のごとく - allcinema

 

色気のある中年男(正統派)

その中で、三津五郎さんが演じていたのは、長女と不倫関係にある料亭の主人という役どころでした。

和服を美しく着こなす姿が本当にさまになっていて、しかも不倫相手の大竹しのぶさんと本妻の桃井かおりさんの修羅場に巻き込まれるというシーンは緊張感もあり、おかしくもあり、三津五郎さんの困った顔がまた中年男の色気を感じさせてくれます。

久しぶりにパンフレットを読んでみると、本人のインタビューにこう書かれてありました。

私は大竹しのぶさん演じる長女・綱子と不倫関係にある料亭の主人を演じています。奥さん役を桃井かおりさんが演じられているんですけれども、彼女が綱子の家い乗り込んでくるなんていう大変なシーンもありまして、オロオロしたりしております。役者としてこの二人の間で芝居ができたことは幸せなことだなあと思いましたね。(中略)

そうして私が行き着いたのは、いい大人なんだけれど心ゆれてしまう人間の面白さ。二人の素敵な女性の間でどちらにも決められない男の情けなさと、そこはかとない色気が表現できればと思っております。

阿修羅のごとく』パンフレット 坂東三津五郎インタビューより

 

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そこはかとない色気はちゃんとスクリーンに表れていました。

それに、大竹しのぶさんと桃井かおりの間に立って霞むことなく存在感を示せる俳優さんってそうはいないと思います。歌舞伎役者だからこそ醸し出せる貫禄なのかもしれないですね。

 

新作映画で見られなくなるのが残念です。

ご冥福を祈ります。

 

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